ただただ過ぎていく時間に追われ、暮らしがおざなりになってしまう時。ついつい自分のことが後回しになってしまって、大事にできていない時。
そんな時に見てほしいのが、Netflixで配信された「舞妓さんちのまかないさん」。
主人公のキヨは、友達のすみれと一緒に、舞妓になるために中学卒業後に青森から上京しますが、舞妓としては才能がなく、早々に青森へ帰るように言われます。
そんな時、たまたま舞妓さんたちのごはんをつくる「まかないさん」のおばちゃんが腰を痛め、ごはんを作れなくなってしまいます。しばらく出前やテイクアウトで凌いでいた舞妓さんたちも、ずっと外食が続いてなんだか飽き飽き……。
そこでキヨが「私に作らせてもらえませんか?」と立候補したことで、舞妓さんではない、「まかないさん」としての人生が始まります。
うつくしい家庭料理の映像
こちらを見たきっかけは、だいすきなフードスタイリストさんが関わっていたこと。
飯島奈美さんという方で、彼女が料理を手掛ける映像作品は、どれもほっこり温かい料理が登場します。
お野菜のツヤ、みずみずしさ、卵と三つ葉のコントラスト、じゅわっと味が染みた茶色い献立。
とっても素朴なのに、「いますぐ食べたい!」の気持ちをむくむくと沸き起こらせます。
彼女が作った料理が見れる作品は他にも。
映画
- かもめ食堂
- めがね
- 南極料理人
- のんちゃんのり弁
ドラマ
- 深夜食堂
- カルテット
- 大豆田とわ子と三人の元夫
知っている作品がある方は、「あ、あの料理印象的だった……!」と思い当たるシーンもあるのでは。
心を動かす料理シーンを、たんまり観ることができるだけでしあわせです。
ふつうって、大切
このドラマは「ふつう」をとっても大切にしています。
キヨのごはんは、料理人みたいに特別美味しいわけでもないし、作るメニューも家庭的なもの。でも、それが日常でとても大切なんだと気づかせてくれます。
日常を美化したり、ふつうをキラキラみせたりするわけではなくて、ただただ日常を描いている。
ただただ、ふつう。ふつうを、とっても丁寧に行っている。
その日々が心にじんわり染み渡る。
舞妓さんたちの日常が、どうしようもなく愛おしい「舞妓さんちのまかないさん」。
今夜の夜ふかしのおともに、いかがでしょうか。